日本の音楽出版社をめぐる状況で問題視されているのは放送局が音楽出版社を持てることです。
日本の音楽業界は90年代以降、テレビ番組の主題歌のタイアップを取ることとバーターで、放送局の子会社の音楽出版社に権利を譲渡するということが慣行として定着しました。
公共性の高い電波を独占する放送局は、放送内容にも公正さや公共性が求められるわけですが、子会社に音楽出版社があると、放送で自分たちが権利を譲渡された楽曲を中心に流して、自分たちに利益を還流するということができてしまうわけです。
そのため、テレビ局やラジオ局で放送される曲が偏ったり、番組でプロモーションしてもらうには権利を譲渡しなければならないといった、およそ「公正」とはほど遠い悪しき慣習がまかり通る。
こうした利益還流を防ぐため、米国では放送局が音楽出版社を子会社に持つことが禁止されています。また、放送局に対して、DJや番組ディレクターに対して支払われる経済的利益を公表する義務を課す「ペイオーラ規制」というものも設けられています。
こうした癒着的な取引慣行は、欧米では問題視されてきましたが、日本ではほとんど問題に上がっていませんでした。ただ、最近は、下請法とのからみから、公正取引委員会がタイアップ楽曲を放送局系音楽出版社が持つことに対して何らかの規制をかけるのではないか、という話も出てきています。
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